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中高年のためのリフォーム術 ポリテク講義録
 
中高年のためのリフォーム術
日々の、障害者や高齢者の住環境整備業務を通じて思うあれこれを綴ることで団塊の世代の応援歌としたい。
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部外講師
永く講師を勤めさせて頂いていたポリテクセンターの部外講師も、5~6月の
講義が最終となりました。
「福祉住環境サービス科」が関わらせて頂いた訓練科の名称です。

平成17年から満8年、約1,000名弱の訓練生とお付き合い頂いたことになります。
20歳代から60過ぎの方まで、社会経験の少ない若い人から経験してきた職の深い知識を
持たれる先輩諸氏まで本当に幅広い方々とお付き合いいただきました。

今後、訓練経過を振り返ることで、テーマである「中高年のためのリフォーム術」
にも関わる事柄を少しずつ解説してみたいと考えています。


スレッドタイトルと内容が一致しない事もままありますので、ホームページに2011年4月までの過去ログの検索ページを設けています。  
 リスト→ http://jukankyo.web.fc2.com/blogl-list2.htm
 当社の業務の有り様については下記記事で。
 http://jukankyou.blog49.fc2.com/blog-entry-218.html
ポリテクとの その1
ポリテクセンターとの最初の関わりは、気心の知れた福祉系事業所からの電話でした。
「ポリテクセンターの方がこちらに見えています。お出でになれますか」

ポリテクセンター?、ウーン、福祉用具の開発関係の会社だろうか。
失礼ながら、当時その位の認識しかありませんでした。
お呼びに従ってその事務所にお伺いしました。

お話は
・当機構は厚労省の外郭団体であること
・自分たちは離職者の再就職等を支援する様々な科の内の居住系の講師であること
・今般、従来の建築関係講座に「福祉系のアプローチ」を加味した科を作りたい
・名称は「福祉住環境サービス科」としている
・福祉系の改修実務について講師を探していたが、いくつかの支援事業所と
 市の介護保険課から貴殿を推奨された。
ついては部外の講師として協力いただけないかということでした。

住環境整備についてのセミナー講師の経験はしばしばありましたので、
そのようなものであれば何とかと、お話を聞くことにしました。

しかし
「6ヶ月ワンクールの訓練期間の後期2ヶ月で9日間をお願いします。
 1日6時間の講義時間としています。講義内容についてですが・・」と
きました。

「ちょっと待った!」とは言いませんでしたが、
「エート、セミナーではなくて講義、講義なんですか?」
私は訓練期間のどこかで実務的なセミナーを一度という依頼だと
思い込んでいました。

1日6時間掛けることの9日間。計54時間。
それだけの時間を使って伝えられる情報や知識を持っているのか?

しかし、このあたりの対応が亀の甲より年の功。
面の皮の厚さときたら自分でもしばしばあきれます。
何の根拠もなく、「ウン、なるほど」。

お話を続けていただくと、
・1期30名の訓練生。
・年齢幅、20歳代から60歳台までの離職者。
・訓練生半数ごとに1棟の実習棟を建設する。
・その2棟ごとに改修案を策定し改修実習を行う。

その改修プランの策定や改修実務の指導も含めての9日間ということ
のようです。

具体的な計画は講師ともども考えたいとのことで、講師側の意図も
尊重していただけるとのことでした。

一応のお話は伺えたので、前向きに検討する意向をお伝えさせていただきました。
取りあえず次回、独立行政法人雇用・能力開発機構なる訓練機関の見学をさせていただく
ことになりました。


スレッドタイトルと内容が一致しない事もままありますので、ホームページに2011年4月までの過去ログの検索ページを設けています。  
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 当社の業務の有り様については下記記事で。
 http://jukankyou.blog49.fc2.com/blog-entry-218.html
ポリテクとの その2
最初の面談から数日後に機構にお伺いしました。
高台にある建物で、下を通る国道を通行しながら何の施設だろうと思っていた建物でした。
16:00までは講義ということで16時過ぎに職員室?にお伺いしました。

6ヶ月の訓練期間ということでしたが、最初の3ヶ月の時点で次の訓練生が入所し
常に30人×2グループの60人が在籍ということでした。
参議院の半数改選と同じようなものと考えれば分かり易いでしょうか。

実習棟のプランを見せていただきました。
旧実習棟 モジュール910で29㎡の平屋です。


バス・トイレ・脱衣室の水周りは充実していますが、居室がひとつしかないのに玄関および
玄関ホールがむやみに広い。

そして意外に気がつかない要素があります。
私はすぐには気がつきませんでした。
この住宅には台所がありません。

この建築面積に比してむやみに広い玄関ホールと台所空間の欠損は、その後の実習に
おいて色々な不具合をもたらすことになりました。

それは後の話として、
この住居を1期(30名)で2棟建築するとのことです。
2グループで建築するのですが、プランは右左がそれぞれ逆になります。
玄関位置がそれぞれ異なるということです。

建築実習を行う作業棟を見学しました。
かなり広い空間です。
9坪程度の平屋2棟であれば十分な広さです。
ところが、そうは問屋が下ろしません。

次の期の方々も、前期の訓練生の実習棟が存在する作業棟の空間に自分たちの実習棟を
建築し始めます。
つまり4つの実習棟が同時に存在することになるのです。

そのあたりは次回に。


スレッドタイトルと内容が一致しない事もままありますので、ホームページに2011年4月までの過去ログの検索ページを設けています。  
 リスト→ http://jukankyo.web.fc2.com/blogl-list2.htm
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ポリテクとの その3
     旧実習棟4棟
左奥から手前に前期訓練生の実習棟、右奥(見えませんが)から手前が後期訓練生の
実習棟です。
手前のスペースは材料置き場です。原則として資材は極力使い回しでした。

作業棟の外壁には腰窓が連続して開いているのですが、窓側に沿うように建物が並ぶため
風抜けが悪く、作業する訓練生にとって夏場は本当に大変でした。
年齢の高い受講者には、特に水分補給を再々お願いすることになりました。

            旧実習棟玄関 玄関と玄関ホールです。広すぎて持て余す空間です。

思うに、一作業棟のなかに4棟を建てるため一定の面積に納める必要があり、
その面積の中でトイレ室、脱衣室、浴室、通路、居室の手すりの取り付けや段差の解消などの
実習を意図した結果、利用しにくい空間が玄関周りに残ったのではないでしょうか。

いずれにしてもこの空間には訓練生も悩まされたし、講師である私も疾患を想定しての
有用な利用が行えませんでした。

この実習棟を利用しての講義の内容構築については次回に。


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ポリテクとの その4
しばらく間が空いてしまいました。
窓外のヒヨドリの巣は、残念ながら無住です。

先月の中ごろに隣の空き地で伐採作業がありました。
ここの小団地(4戸)は高台に位置しており、北側は崖地状に
なっています。
数メートルの高さの雑木が茂り、冬の北風に対する防風林の
役目を担っていたのですが、ばっさり切られてしまいました。
ポッカリと空いた空間。
眺望は見違えましたが、冬季の北風にはどうなのか。
伐採跡地 中央の空間が伐採後の空間です。元々は左右の樹木はつながっていました。
見えませんが、宅地端から下に約30mほど長方形に伐採されています。

生態系の変化に驚いたのか、終日のチェンソーの音に驚いたのか
その日から姿が見えなくなりました。
時たま、未練なのかそれとも他の鳥が中古巣を探しているのか巣の近くに止まっている
ヒヨドリを見かけます。さて?

表題については下記へ。

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ポリテクとの その5
延岡市の社会教育センター玄関ポーチです。
介護支援・社会保障関係のセミナーが度々開催される場所です。
高齢福祉課を通じて、手すりへの幟立てをしないようにお願いしていました。
その効果かどうか、最近まで手すりへの幟止め付けは無くなっていたのですが。

       延岡市社会教育センターポーチ 再開されています。なぜなんでしょう。
福祉に近い場所に勤めている職員の方々のはずなのに。
結局、意識を持ち続けることは容易ではないということなんだろうと思います。
継続して意識付けを続けること、いつが終点ということはないということなのでしょう。
自分自身、肝に銘じなければなりません。

表題については下記へ。

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ポリテクとの その6
     大工作業の基礎訓練風景です。              
        大工作業実習 当然エアコンなどはありません。熱中症対策が重要です。

プラン策定作業について。
私の実事例に基づいたプラン策定と、実習棟を対象としたプラン策定は
いづれも5~7名のグループ討議で作業していきます。

就業のための訓練機関ですから、こうした集団討議もその一環となるのでしょう。
グループ討議、班メンバーの様々な個性が机上に乗せられます。

1.我関せずでボーッとしているひと
2.わが考えを、あくまで押し通そうと頑張るひと
3.意見の対立を避けてどの意見にも賛否を表しないひと
4.コツコツ自分の思いでわが道を行くひと
5.自分の意見は言わないが他の意見を尊重するひと
6.尻が落ち着かず、あちこちのテーブルをうろうろするひと
7.テーマに関係ない無駄話が多いひと

経験からすると
1.4.5.のタイプの方々の組み合わせが、討議がスムーズに進み
発表意見もきっちりまとまります。
1.の方は少なくとも討議の邪魔はしません。
4.の方はひたすら懸命に考えます。
5.の方は4.の方の意見を上手に他のメンバーに紹介します。
もちろんそれで良いプランが出来るかどうかはそれとは関係ありません。
コツコツの方のアイデア次第です。
結局、
こうしたプランの策定は、衆議して良いものが作り上げられるものでもないということでしょう。
衆議とは、むしろそれぞれの立場の、妥協の産物を生み出す手法かもしれません。

プラン策定演習ではプランの発表が締めくくりになります。
各班の代表がOHC(図面などをスクリーンに投影する機材)を使って白板(黒板?)の前で
順次発表します。

実事例については、私が実際に行ったプラン図と工事後写真で解説をします。
「これが正解ということではありません。たまたま利用者に選択されたプランです。」
解説の際の、これが決まり文句です。

実習棟に対するプランも同様に発表します。
ここでは、プランの良し悪しよりもプレゼン能力が評価を決めます。
私がこれならと評価するプランも、プレゼンターの要領を得ない説明で
ボツになることは再々です。

人気投票で最も票を集めたプランが実習棟改修案として採用されます。
採用プランの策定班は、その後は元請と呼ばれます。
下請となった班からの工事内容の変更要請は、先ず元請との相談になります。

次回は工事実務指導について。


スレッドタイトルと内容が一致しない事もままありますので、ホームページに2011年4月までの過去ログの検索ページを設けています。  
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ポリテクとの その7
講義をさせていただく際に最もお伝えしたいのは、支援をするに当たっては
出来るだけプロの目線で対応して欲しいということです。
言い換えれば支援策を、途切れた点の視線でなく、つながった線として捉えてほしいということです。

下の写真は、モリトーの品名「つるべー」のカタログ写真です。
   モリトーつるべー1      モリトーつるべー2
左右共に、まったく同じリフト製品です。
リフトやシーリングシート(吊シート)に視点を置けば、車椅子~ベッドの移譲に有用な
商品紹介カタログ写真に過ぎません。

少し視点を変えてみると
左の写真では移譲する時点の福祉用具がそれぞれ撮影されています。
一方、右の写真では支援者が車椅子を支えなおかつ傾けています。

実はこの写真は、私が最も評価している画像です。
普通にベッドからリフトアップし車椅子に移譲すると、どうしてもでん部が前に着座して
いわゆるずっこけ座りになってしまいます。
介助して深く座り直させようとすると、体を覆ったシートがずれてしまいます。

右の写真のさりげない待ち受け方は、次の支援のあり方まで示唆しています。
まさに、<途切れた点の支援でなく、つながった支援として捉えて>いることを
明示した画像だと思います。

表題については下記へ。


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ポリテクとの その8
検証作業は前期と後期に分かれます。

(前期)
 要支援1認定 片麻痺者のための改修検証
・本人家族の希望
 一人での外出を可能に
 安全に使用できる排泄環境を
 週2~3回入浴したい
 ヘルパーの利用はしない
・改修工事概要
 屋内外の手すりの取り付け
 扉の開き向き変更
 軽介助による入浴支援改修
 床(布団)からの立ち上がり支援
・推奨する福祉用具

(後期)
 要介護3認定 車椅子利用の片麻痺者のための改修検証
・本人家族の希望
 車椅子自走でトイレに行けるように
 夫の支援で外出を可能に
   々  週2~3回入浴したい 
・改修工事概要
 畳室の段差解消とフローリング化
 洋便器への取替え
 収納部の移設
・推奨する福祉用具

(前期検証風景)
     外出先から帰ってきた利用者像
        要支援1検証 鍵を出してドアを開けるところから、すでに検証が始まっています。
(傾向)
・むやみに手すりを設置する            ⇔最初の一本を間違うと経路の修正が困難
・取り付けし易い場所に取り付ける        ⇔必要性でなく工事の容易性を優先
・対処方法がわからない箇所は健常に動作する⇔何のために移動するのかを考えずに
                               移動の容易性だけに注目
・必要な作業を無視する              ⇔排泄動作で下着の着脱をせず便座に座る

(アドバイス内容)
・一つ一つの日常動作を、端折らずに丁寧に追跡する
・工事だけでなく簡便な工夫も(家具を手掛かりに、扉の開口をひもやゴミ入れで制限など)
・機能過多の福祉用具は、しばしば不要な機能が支障になる

(後期検証風景)
       新通路の通過検証       
       介護3車椅子検証 自走用と介助専用車いすの両方で検証します。
(傾向)
・車椅子の通過だけに意識が集中            ⇔何のためにその場に行くかの視点が持てない
・ともかく広い空間を求める                 ⇔通路も空間も広ければ広いほどの思い込み 
・空調やプライバシーの欠如に意識を向けない     ⇔プランに生活感を表現出来ない
・工事、用具、介護力の組み合わせが構築されていない⇔個所ごとの工事プランはあっても支援の流れが
                                    つながっていない

(アドバイス内容)
・その場に到達することが目的ではない。そこで、何がどう出来るかが目的
・車椅子での屋内移動は、手掛かりを手探りしながらの移動方法も有効
・改修によって出現する、様々な環境変化のバランスを考える必要
・大工工事だけでなく他の支援とのコラボが必要。

前・後期検証とも 1グループ(5~7名)当たり約1時間半ほどの所要時間です。
期のプランによっては2時間ほどになる場合もあります。

次回は総括を。


スレッドタイトルと内容が一致しない事もままありますので、ホームページに2011年4月までの過去ログの検索ページを設けています。  
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ポリテクとの 総括1
「ポリテクとの その8」までで、私の関わる期間の講座の概要は
凡そ説明できたのではないかと思います。

今回は総括と題して。
(職場の雰囲気)
機構(当時:独立行政法人雇用・能力開発機構その後、独立行政法人高齢・障害
・求職者雇用支援機構に移管)の職員朝礼に初めて参加した時のことです。
「なんだ、このアンニュイな雰囲気は?」と思いました。

民間の事業所で感じる、業務開始に伴う緊張感というものがまるで感じられません。
職員同士の会話でも、民間であれば普通にある職階による語調の違いいうものも
ほぼありません。
訓練機関ということで、どちらかといえば職員室の雰囲気に似ているのかもしれません。
確かに、お互いの呼びかけも「・・先生」でした。
             ポリテク延岡外観
           ポリテク外観 (ポリテク延岡HP)より

(物品の購入)
民間と違い、物品の購入は予算制です。
申請をして→承認を得て→入札に掛けて→物品搬入の次第
確かに、総括者が近くに居て常にコスト削減に目を光らせている民間と
コストの削減が収益に影響せず、益してや給与になんらの反映のない職場であれば
こうしたシステムも必要かと思います。
民間で備品の予算制を採った経営者の方から、話を聞いたことがあります。
「大失敗でした。担当者は、予算の消化に苦心しても予算の削減には頭が回らないようです。」

しかし訓練の流れの中で、今期はこうした備品が欲しいと指導現場で要求があっても
予算化されていない備品の購入は出来ません。
わずかな金額の備品であっても認められません。
収益チャンスを逃すという職場ではありませんので、対応にスピード性がありません。
思わず、「預け金とかないのですか?」と聞いてしまいました。

予算制の負の面かなと思われる事象のもう一つに、償却年度?(または交換年度?)
に拠ると思われる物品の入れ替えがあります。

例えば、研修室の椅子が傷んだ。
・民間であれば通常、傷んだ椅子だけ随時交換する。
・しかしここでは、予算化して一グループ(・・研修室備品)分を一斉に取り替える。
当然まだ使用に耐える椅子も処分される。(思わず持って帰ろうかなどと?)
性悪説にたって労務管理を行う。現場での随意性を極力除く。
公務員の一部なのでしょうが、様々な不正が枚挙に暇がないほど行われている
現状ではやむをえないのでしょうか。

それにしてもあの椅子、地区の公民館に寄付とかはどうなんでしょう。

次回は総括の2として。


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釣 書(つりがき)

いもがらぼくと

Author:いもがらぼくと
「城山の鐘 なりいでぬ 幼なかりし・・」城下町・宮崎県延岡市の地で、疾患を持たれた高齢者の住環境整備や老後に備えたリフォームを専門とした建築会社「住環境デザイン社」を経営しています。

年齢は団塊世代の末席。
趣味は「釣り道具の手入れ?」としておきます。



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