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中高年のためのリフォーム術 業務の進め方の実例
 
中高年のためのリフォーム術
日々の、障害者や高齢者の住環境整備業務を通じて思うあれこれを綴ることで団塊の世代の応援歌としたい。
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業務の進め方の実例
独立行政法人での講義が再び始まりました。
座学はクーラーの効いた講義室ですが、実技はコンクリート造の作業棟で行われます。
勿論、クーラーはありません。作業用扇風機が数台ありますが、改造対象の実習棟の中には風は届きません。
60才台の方も3名ほどいらっしゃいます。この猛暑の中、作業に耐えられるでしょうか。
そう言う私も、やや不安を持っています。こまめな給水と適宜休憩を入れることで事故を防ぎたいと思っています。

以前、真夏にマンション浴室に手すりを付ける工事を行ったとき、窓のない浴室の中で防塵のためにドアを閉め作業をしていたところ息苦しくなり呼吸も速くなっているのに気が付きました。
衣服もびっしょり濡れています。
這うようにして車に乗り込み、クーラーをガンガン効かせて何とか回復したことがあります。

夢中で作業をしていると、身体の異常に直ぐには気が付かないものですね。
この経験をお話ししてから作業に入って頂こうと思います。

受講生の方から、「講師はどの様な流れで実際の業務を行っているのか、実例で教えて欲しい」という声がありましたので少し書いてみたいと思います。

実務事例。 
1.プロローグ
ある年の3月頃、公的機関の担当者から、
「重篤な状態で自宅に帰ってこられる利用者の方が居られます。」
「特殊な地形で、介護者も高齢の奥様だけです。」
「普通の業者さんではとても対応出来ないと思いますので、ご紹介しました。対応して頂けますか?」と、お電話を頂きました。

2.状況
事故により四肢麻痺となり現在大学病院に入院中であるが、近く延岡市の病院に転院し経過を見て自宅に帰る予定。
移動は車椅子移動しか方法が無く、介護者である妻も高齢であること。
自宅敷地は道路面よりかなり高く、車椅子での昇降は容易ではないこと。  

3.訪問
ご自宅に訪問しました。なるほど坂道に面した敷地は、高い方で2m数十cm・低い方で約2m程でしょうか。なかなか容易ならざる状況です。
ご自宅には奥様と市内に住む娘さんが待っていました。
ご主人の現在の状況やご家族のお気持ちを聞かせて頂きます。
奥様は、「あの時こうしておけば良かった。・・リハビリを続ければ手すりで歩けるように・・?」
まだまだ混乱して居られます。
娘さんは冷静に状況を把握して居られます。
後で聞いたのですが、娘さんはネットで様々な情報を取得しており、早くに受容(現実を受け入れ、心構えが出来ている)が出来ていたようです。
どうやらこの方がキーパーソンの様です。退院後の介護環境や外出の機会、支援出来る範囲など様々なお話をお聞きしました。

具体的なプランはまだ私の頭に浮かんできませんが、「ご自宅で看る」というご家族の意志は確認出来ました。

3.面談
入院中のご主人に面会しました。病院は県央に位置しますので片道2時間半ほどの行程です。
発語には何の問題もなく、普通に会話が出来ます。
会話の間に観察させて頂きます。受容の状況は?
受容は早ければよいというものでもないようです。早すぎる受容は、諦めに通じることもあります。その後の生活意欲に大きく関わってきます。
この方は、「トイレと通路に手すりを付けておいて欲しい。杖を使って歩けるようになったとき必要だから。」と私に話されます。

高位頸髄損傷の方ですから歩くことは諦めて頂かなければなりません。
しかし、「どんなにリハビリを続けても、もはや歩くことは諦めて貰わなければなりません。」とは言えません。
この方は、リハを続ける事で今よりもっと能力を回復出来るという希望をお持ちで、それが療養生活を続ける意欲につながっているのですから。
しかし、介護者である奥様にはきちんとお伝えしなければなりません。回復によって介護が楽になっていくという幻想をお持ちのままの介護生活と、そうはならないという介護生活では自ずと心構えが違いますから。

現状が続く、正確に言うなら徐々に負担は増えて来るという現実を認識した上で受け入れのための改修工事を行うかどうか決めて頂かなければなりません。
そこまでの心構えが出来なければ、今回の改修工事は諦めて頂かねばなりません。

4.福祉用具
未だプランは出来ていませんが、この福祉用具を受け入れて頂ければ何とか。というおぼろげな案が浮かびつつあります。
自宅に帰られても、ベッドに寝たきりでは徐々に体力も落ち社会性も無くしていきます。出来るだけ離床を促さなければなりません。
しかし、高齢の奥様ではベッドから車椅子への移動は容易ではありません。というより不可能です。
奥様も現実を段々認識出来てきて、暗い顔をされています。
「とても介護する自信は無い・・だけどお父さんを家で看てあげたい。」

そこでテクノエイド(機器による介護)のお話をさせて頂きました。高さを解消するための段差解消機、ベッド~車椅子間の移動のためのリフト。
お話をする内に、「そんな機械を使う自信はないけど、取りあえず見てみたいです。」

5.実地体感
日を決めて県央の福祉機器展示場で落ち合いました。
専属の相談員さんから説明を受けます。
  4柱リフト
写真のご家族は又、別の機会での別のご家族です。
展示場では娘さんと奥様が交互に、介護される方と介護者の役をして、それぞれの立場を体感して頂きました。
「ここで手を離されると怖い。」「もう少し吊り上げないとお尻が未だ上がってない。」ワイワイ言いながらも真剣に取り組んでいました。
専属の相談員さんからスリングシート(身体を包むシート)も選定して貰いました。

1時間ほど訓練したところで、奥様から「何となくやれそうな気がしてきました。尤もやらなきゃならないからしょうがないですけど。」
ここまで来れば何とかなります。
実際に想定している機種は、
二柱リフト
この機種です。6畳の洋室では4柱リフトは機能が発揮しにくいのです。

ついでに、2Fにある体験スロープで娘さんを乗せた車椅子で昇降体験をして頂きました。体力に自信のない奥様ですが、短い距離であれば1/8の勾配でも難なく押すことが出来ました。
プランで想定している段差解消機も体感して頂きました。吊り上げリフトを体感した後では楽勝です。

ここまで来ればプランの原案も出来そうです。

長くなりました、続きは次回に。


スレッドタイトルと内容が一致しない事もままありますので、ホームページに2011年4月までの過去ログの検索ページを設けています。  
 リスト→ http://jukankyo.web.fc2.com/blogl-list2.htm
 当社の業務の有り様については下記記事で。
 http://jukankyou.blog49.fc2.com/blog-entry-218.html
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この記事に対するコメント
できれば教えて下さい
すいません。少し前のお話になりますが・・・

プラン制作過程。
プラン図の中でその方に動いて貰います。トイレに行ったり、台所に行ったり。
勿論ご本人ではありません。その方を模した人物絵です。いやー、CAD(パソコン上で描く設計ソフト)って便利なもんです。
そして気付きます。まずい、これではここで転倒しちゃで。
一人で赤くなっています。ああ恥をかくところだったと。

・・・というお話がありました。
差し支えなければCADの名前を教えてください。もしかして3Dですか?
私、JWWのみ愛用しております。
反芻シュミレーションは専ら頭の中です。
過去にAUTOCADに手を出し、テキストのみで習得を図り
あえなく玉砕しました。
【2007/08/21 01:02】 URL | mucca #- [ 編集]

私もjww
muccaさん 私もJWWなんです。書き方が抽象的でした。申し訳ありません。

立位や座位移動、着座姿勢、車椅子利用者それぞれ左右の麻痺を斜線で表した人物像を
登録しておいて、コピペで図面上を移動させています。その移動や回転が簡単に行えることを
「動いて貰って」と表現しました。

手すりから手すりに移動する際の、斜めの距離や車椅子の回転半径(自走車・介助車)が容易に
計測出来、便利なツールだと思っている次第です。
ご家族へのプレゼン?でも、各箇所での動作が窺えるため好評です。

muccaさん そういう次第です。
【2007/08/21 19:15】 URL | いもがらぼくと #dDm6s.8Q [ 編集]

ありがとうございます
 CADを有効に利用されているんですね。
私も真似事に近いことはしてますけど、
建築を専門的に学んだわけでも無く
介護を本格的に学んだわけでも無く
たまたま福祉住環境整備に従事するようになってのめりこんでいます。
その為各分野の専門用語には疎く 動作分析にも方法論や理論はありません。
但し自分の観察力・工夫力には自信があり 動作分析には何の偏見も先入観もなく
より現実的に望めていると思っています。
動作分析は 特に重心の移動を加味できていることが大きいようです。
身体機能の低下した方は健康な状態に比べ、
患部を補おうとしている為だと思われますが
より複雑な重心の移動をしているように感じます。
そうなのです。
動作分析というよりは動作「観察」であり
その中で少しでも多くの情報を取り入れて
住環境整備に活用している、という状況です。
ですから正確にいうと動作分析に自信がある、
というよりは感性で観察しているだけ、です。

でも工夫力には自信を持っています。

動作分析の際、その瞬間瞬間の見た目にとらわれ過ぎな人が多いと思います。
見た目では現れない「重心の移動」にもっと注目したらいいな、と思います。
これは いもがらぼくとさんに言っているのではなく世間の人に言っています。
でも同業者に言うわけにもいかず 私の心の中で思っているだけですけど。
話が長くなってすいません。
気持ちの通じる人が周囲にいませんので、いもがらぼくとさんの存在は私にとって
大きな支えになっています。 ありがとうございます。
【2007/08/22 07:37】 URL | mucca #- [ 編集]


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いもがらぼくと

Author:いもがらぼくと
「城山の鐘 なりいでぬ 幼なかりし・・」城下町・宮崎県延岡市の地で、疾患を持たれた高齢者の住環境整備や老後に備えたリフォームを専門とした建築会社「住環境デザイン社」を経営しています。

年齢は団塊世代の末席。
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