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中高年のためのリフォーム術 昭和の営業・セピア色4
 
中高年のためのリフォーム術
日々の、障害者や高齢者の住環境整備業務を通じて思うあれこれを綴ることで団塊の世代の応援歌としたい。
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昭和の営業・セピア色4
「今日の案内予定は、大山係長2件林係長小森主任それぞれ1件の計4件となってる。
取りこぼしのないように頑張ってくれ。」
全体朝礼後、各課朝礼の際の平島次長のお話です。

「田中、今日朝の一番はおれのヘルプに付け。」
「はいっ。」
いよいよ、田中君初めての営業活動です。係長のお客さん案内のヘルプですが。

「見えた。」大山係長が上着のボタンを留めながら玄関フロアーに出て行きます。
初老のご夫婦お二人です。
係長はお二人を、2階フロアーの方へ手でうながして席に戻ってきます。
「おい田中、接客してて。」
「はいっ。」

2階フロアーへの階段を登っているお客様の後ろを追いかけます。
すばやくあいているテーブルを見つけ案内します。
すでに7テーブルの半分くらいは埋まっています。
「お待ちください。お茶をお持ちします。」

給湯室は混雑しています。
同じ時間に来社時間を決めるものですから混んでしまいます。

茶たくに乗せてお茶をお出しします。
「天気が良くてよろしかったですね。」
「本当に。」
「今日は電車でおいでですか。」
「はい。」
 ・・・・・
田中君、次の話題が出てきません。
のどがカラカラになっています。
 ・・・・
「ちょっと下を見てきます。」

大山係長は、3課の倉持係長となにか冗談を言い合っている様子です。
「係長まだ上がりませんか?」
「おう、案内物件の在庫確認を待っているところだ。返事が来たら上がるから
もうちょっと接客していてくれ。」そういいながら倉持係長と雑談を始めます。

接客テーブルに戻ったものの、何を言ってよいか分かりません。
仕方なく研修で教わった会社の概要を説明し始めました。
この人は何を言っているのだろうと思っているに違いないと、思うとますます
緊張してきます。
田中君が、もう限界だもう一回下に行ってと立ち上がろうとした時
「やあやあ、朝早くから申し訳ありませんでした。」
やっと係長が来てくれました。
係長がものすごく頼もしく思えた瞬間でした。

「エーとね、セドを持ってきて、燃料確認してね。」
田中君、車両駐車場に懸命に走っていきます。

車両係りの矢野さんに鍵をもらいます。
「セドリックにしろといわれました。」
「あー、こっちのクラウンは時々ギアが入りにくいからだろ。新人だからね。」
「燃料の確認はどこでするんですか?」
矢野さんがトランクを開けてボンベを見せてくれます。
「この小さなのぞき窓で確認するしかない。ガソリンと違ってガスは
どこでも給油というわけにはいかないからな。気をつけろよ。
とりあえずはほぼ満タンだ。OKー。」

支店の玄関前には、すでに2台案内車が待機しています。
その後ろに付けました。

待つほどもなく係長を先頭にドアから出てこられました。
「とりあえず青梅街道に出て、後はその都度指示するから。」

出来るだけスムーズな運転を心掛けながら、田中君の耳はダンボ状態です。

予算は1200万位、中央線沿線希望、敷地面積50坪前後
出来たら5LDK位の間取りがあれば。
そんなに古くなければ中古でも良い。

大山係長はうなずきながら聞いています。
「エーと田中君、その先の信号を右に入って。」
少しいりこんだところに、売り家の看板が掛かったお家があります。
かなり古い住宅です。

「このお宅がですね、遠いですけど国立の駅までバス便があります。
敷地は私道負担込みで約28坪位です。1300万台で売りに出ています。」
お二人の様子を見ると半分がっかり半分怒ったようなお顔です。
おうちの中も煤ぼっていて暗い感じです。
面積は少ないし建物もかなり古い、これじゃお客さんも気に入らないなーと
田中君も納得です。
大山係長も強いてお勧めしません。

次に所沢市の建売住宅現場に着きました。
敷地もさっきよりだいぶ広いみたいです。
何より新築ですから見栄えが良い。田中君もなんだかうれしくなりました。
教わった通り、先に入って窓をばたばたと開けて回ります。
洋間を歩いても床鳴りはしないようです。

「敷地面積はどのくらいなんですか?」お客様から積極的に質問が出ます。
「私道負担込みで35坪位ですね。」
「意外と広く感じるけどそんなもんなんだ。」お二人で頷きあっています。
「利用駅はどこなんですか・」
「西武線の所沢です。歩いたらちょっと遠いですね。バス利用になると思います。」
「間取りはいいんだけど駅がねー。」と奥様。
「僕が辛抱すればいいんだから、ちなみにお値段は?」
「1350万です。」と係長。
「やっぱり良いものはそれ位するのね。もうちょっと希望を考え直さないと。」

帰りの車中ではお二人で、大山係長に、とても勉強になったことを感謝されています。
「いえいえ、とんでもありません。また良い物件が出ましたらご連絡いたしますので
これに懲りずお出かけください。」
田中君も、残念だけど次につながる営業だなと緊張をほぐして聞いています。

「帰社することを次長に連絡するから電話があったら止めて。」と係長。
電話ボックスで停車、係長がダイヤルし始めます。
電話は終わったようですが、あたふたとして車に戻ってきます。
「エーとですね、先週仮の売止めになっていた建物がまだ正式に契約に
なっていないそうなんです。
解約になるかもしれないから見ておいてくれとのことですが、このままご一緒に
そちらに回ってもよろしいですか?」
「この後予定も別にないし、この際勉強にもなるし、かまわないよな。」とご主人が
奥様に同意を求めます。

田中君はこの辺りで?と考え始めましたが、先週の物件はまだ彼の物件カードには
記載されていないことに気がつきました。

係長の案内で現地に到着しました。
「この建物ですね。入ってみますか?」係長が先頭で入っていきます。
ここは案内予定の物件ではないので、田中君はのんびり最後尾で入っていきます。
「田中君、一応窓を開けてみて。」

心なしか係長の案内もゆったりとしています。
「敷地面積は広いんでしょうね?」
「いえ、先ほどとほぼ一緒です。」
「利用駅も同じですか?」
「同じですけど、こちらは駅まで歩いて10分ちょっとですね。」
「建物の作りもさっきよりずいぶんしっかりしているし、お値段も相当するのでしょう?」
「エーと、1220万円で売り出されていましたね。」

「エーッ!」田中君が出した声かお客様が出した声か分かりません。
いわゆる異口同音ということでしょう。

田中君もあせりましたが、お客様はもっとあせっています。
「これはだめなんですか!私たちにはだめなんですか!」

田中君も思っています、係長何とかしてあげてください。
僕の初めての営業経験なんです。

さて。


スレッドタイトルと内容が一致しない事もままありますので、ホームページに2011年4月までの過去ログの検索ページを設けています。  
 リスト→ http://jukankyo.web.fc2.com/blogl-list2.htm
 当社の業務の有り様については下記記事で。
 http://jukankyou.blog49.fc2.com/blog-entry-218.html
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釣 書(つりがき)

いもがらぼくと

Author:いもがらぼくと
「城山の鐘 なりいでぬ 幼なかりし・・」城下町・宮崎県延岡市の地で、疾患を持たれた高齢者の住環境整備や老後に備えたリフォームを専門とした建築会社「住環境デザイン社」を経営しています。

年齢は団塊世代の末席。
趣味は「釣り道具の手入れ?」としておきます。



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