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中高年のためのリフォーム術 2013年02月
 
中高年のためのリフォーム術
日々の、障害者や高齢者の住環境整備業務を通じて思うあれこれを綴ることで団塊の世代の応援歌としたい。
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レンタル店の見積もり
先日、部外講師をさせて頂いているポリテクセンターの卒業生の方から
アドバイスの要請がありました。
骨折で入院している祖母の住まいについて、退院前の住環境整備について助言が欲しいとの
事でした。
すでに福祉用具レンタル店から手すり取付の見積書が出ていて、その金額及び
プランの妥当性を判断して欲しいとのことでした。

住まいは3畳和室、3畳のキッチン、4.5洋室、4.5畳寝室に浴室・トイレです。
退院後は歩行器(持ち上げ式)で室内移動、和式便器にかぶせ便器を乗せ入浴は
ディで行う予定です。

レンタル店の見積書は、
トイレ入口の洗面器周りに組手すり1セット。
半間奥行きの玄関土間に2段の式台を設置して斜め木手すりを壁に1本、独立の
樹脂皮膜鋼管手すりを土間に1組。
奥行き半間の屋外ポーチ階段(2段)に同じく鋼管手すりを左右に一組ずつ。

見積書には各手すりの設置方法の明示が無く、金額だけ表示。
しかも経費も込み込みなのか、経費の項目無く総額ぴったし?20万円。
介護保険が始まったとき各保険者の窓口に総額20万円の工事が集中したときが
ありました。
今となってはそれも笑い話と思っていましたが。

現場を見ると、屋外の手すり設置についてはその支持補強の方法が容易でないことが
想像出来ます。
恐らく担当者はその支持方法に明確な工法を想定出来ず、この位の金額にしておけば
何とかなるのではないかと考えたものと思われます。

ただ、このレンタル店さんとは1~2度仕事をしたことがあり、
仕事ぶりに悪い印象は持っていません。
レンタル屋さん特有の、
「手すり取付で利益を出さなくとも、その後の用具の
レンタル受注で利益を出せばよい。
手すりの取付はそのためのツバ付けだ」という考えだろうと思います。
それが、経費の項目もない総額きっちり20万円の見積もりに現れています。

肝心の私のアドバイスは
・狭くて段差のある住まいでの歩行器の使用は疑問である。
 むしろ歩行支援のための手すりを開口部やコーナー部に付けた方が良い。
・玄関土間及び外部のポーチ階段の手すりは左右両側には必要ない。
 片側だけでよい。
・玄関土間の斜め手すりは水平な2段手すりとした方が良い。
 かまち段差が大きくて狭い土間での式台設置は、踏み代も浅くなり
 それに合わせた斜め手すりは勾配が急となり危険である。
・金額の高い樹脂皮膜鋼管手すりが半分の量になることで、追加の
 屋内木製手すり費用分くらい容易に産出できる。

しかし、どうせ分からないだろうと設置方法も記述しない見積書は
いささか乱暴なやり方です。
支援しているのだからという思い上がりも感じた事例でした。


スレッドタイトルと内容が一致しない事もままありますので、ホームページに2011年4月までの過去ログの検索ページを設けています。  
 リスト→ http://jukankyo.web.fc2.com/blogl-list2.htm
 当社の業務の有り様については下記記事で。
 http://jukankyou.blog49.fc2.com/blog-entry-218.html
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介護支援モデルハウス
手元に注文住宅建築会社の広告があります。
在宅介護を可能にする家という副題が付いています。
県内有数の評判の良い会社です。
しかしこの会社、介護に関わるモデルハウス建設は今まで無かったように思います。

色々な情報を集めて企画したモデルハウスのようです。
今まで様々な企画を立てて先進的な住宅作りをされている会社ですが、
さすがに介護関係となると勝手が違ったようです。
総体に、介護のための建物なのか自立のための建物なのか混交しているようです。

建築関係者が良く陥るのが、車いすのために有用な建物が介護にも
有用なのであり、介護の究極の有り様が車いす生活なのだという思い込み。
このモデルハウスにもそれが窺えます。

高齢になったり、障害が有ったりしても自立した生活を
と冒頭で解説-フムフム、当然皆が車いす生活になるわけではない。

しかし、配慮したポイントを常に車いすからの利便性で語っています。
曰く、
車いすからの移乗がし易い。
洗面も車いすでもし易く、等々。
いつの間にか車いす生活者の視点での解説になっています。

車いす生活者に有効な広い空間は、壁づたいに歩く方には時として不自由な空間と
なります。
むしろ手を伸ばせばすぐにあちこちに触れる狭い空間が良しとされる場合もあります。

居住者を特定せずに計画するモデル住宅企画では、どうしても総花的つまり
最小公倍数的なプランになり勝ちです。
言い換えれば、大は小を兼ねるとばかりに、SかMで良い対象者にL又はLLサイズの
衣装を提供することになります。
寸法の合わないぶかぶかの靴、ずり下がってしまうズボン。
むしろ不自由とも言えます。

車いす生活者限定モデルとした場合でも、自走出来る方か完全介護の方かによって
車いすの種類は変わります。
種類が変われば当然に必要通路巾や空間が変わってきます。
移乗場面でも、自立をより支援するか介護をよりし易くするかによって
プランも変わってきます。

折角の今回の企画で有れば、
一見普通の住宅モデルに見えて実は加齢や疾患によって先行き体調が替わっても、
容易に居住空間を状況に合わせて変更していける仕掛けを包含した
モデル住宅であれば良かったのにと思っています。

車いす生活者と言われて、両手でハンドリムを操作する方しかイメージ出来ない
設計者も多いのかなと思います。

片手片足走行の利用者、その麻痺が右なのか左なのかそれだけでもその自立性を
高める工事の有様は変わってきます。
それだけに、モデルハウスの企画には馴染まない
テーマなのかもしれません。


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 当社の業務の有り様については下記記事で。
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展示モデルハウス
昨年暮れに新聞折り込みされていたチラシが手元にあります。
以前も、住宅関係チラシに見える間取りの潜在的な危うさについて
書いたことがあります。
今は良いけど「終(つい)の棲家(すみか)」と考えたとき色々問題を
抱えそうな間取りについて。

しかしながら、その日の折り込みに付いてさっそくブログであれこれ
疑問を投げかけるのは商業仁義にも反します。
そこで、どれと特定出来ないくらいの時間が過ぎたチラシを材料に
あれこれを。
少しでも「中高年のためのリフォーム術」につながればと。

手元のチラシの展示モデルは平屋の建物です。
DKとリビング・4.5和室が段差及び間仕切り無しのワンルームとなっています。
居室は4.5の洋室と6畳の寝室です。
大きな一つの共有空間と大小二つの居室のお家。
ごく少人数の家族(夫婦と子供一人あるいは高齢者二人住まい)に適した
間取りに思えます。

<位置関係>
将来多目的に使えるであろう唯一広い室空間の6畳寝室は、水回りから最も遠い
位置にあります。
特にトイレからは最も遠い位置にあります。

将来一時的にしろ何らかの疾患を持ったとき又は加齢により移動が
容易でなくなったとき、この寝室は空間的な広さ以外効能がありません。
その上、窓は腰窓一箇所しか無いため緊急の場合の脱出が容易でない場合もあります。

<配置>
トイレ室は玄関ホールに沿っており、トイレドアから向かって右空間が玄関ホール、
左空間が浴室となっています。
つまり現在の巾半間、奥行き1間のトイレ室はこれ以上の拡張性は有りません。
排泄に何らかの支援が必要なとき、介助も容易には行えないということになります。

カーポートから3~4段の階段を登ったところが玄関ポーチとなっています。
未だにこの配置が当たり前のようになされています。
これでは妻が身重になったとき、また身体に何らかの不自由が有るときこの階段を
懸命に昇降しなければなりません。

強力なエンジンを持った車両をポーチの高さまで上げれば済む話です。
カーポートをポーチの高さにするか又は敷地を道路面の同じ高さにすることで
この階段は不用になります。
勿論様々な地勢もあり、一概には論じられない点もありますが一考する価値は
有ると思います。

それにしても在来工法の住宅で有れば、費用の多寡はあっても何らかの対応は
可能ではあります。
ただ残念なことにこのモデルハウスはプレハブ構造なのです。
家族構成の変化や居住者の身体状況によってその都度変容させていくという
手法が取りにくい構造体です。

住み替えという手段もあります。
しかしそこには、地域共同体との絶縁という別の問題も出てきます。
新規のつながりを作りにくい年齢になって別の地に住み替えるのは
なかなかしんどいことです。

プレハブが駄目で、在来工法の建築が良いという事ではありません。
また最初から高齢者向きのいわゆるバリアフリー住宅で有るべきだと
いうのでもありません。
中高年の方にお勧めするのは、拡張性の高い、言い換えれば可塑性が高い
 (可塑性が高いという事は、新しい機能を獲得する性質、新しく獲得した
  機能を維持する性質に優れているという事です)
間取りを念頭に計画を立てて頂きたいと言うことです。


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釣 書(つりがき)

いもがらぼくと

Author:いもがらぼくと
「城山の鐘 なりいでぬ 幼なかりし・・」城下町・宮崎県延岡市の地で、疾患を持たれた高齢者の住環境整備や老後に備えたリフォームを専門とした建築会社「住環境デザイン社」を経営しています。

年齢は団塊世代の末席。
趣味は「釣り道具の手入れ?」としておきます。



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